こんにちは。ヒトです。
今回はゲーム感想記事。
遊んだゲームは鳥類弁護士の事件簿です。
テキストアドベンチャー的なゲーム。
主鳥公の弁護士「ファルコン」が法廷に立ち、依頼獣を弁護する。
このゲームにヒトは出て来ないので、”人”という字は全て”獣”に置き換わるのだ。
身も蓋もないことを言ってしまえば「逆転裁判」の影響を強く受けた法廷アドベンチャー。
故に、比較対象として逆転裁判の話もちょくちょく混ざるのでご了承ください。
タイトル | 鳥類弁護士の事件簿(元タイトルはAviary Attorney) |
ハード | ニンテンドースイッチ(元はSteamからの移植) |
発売日 | 2022年12月15日 |
ジャンル | 法廷アドベンチャー、なぞ解き |
前置き
この記事は、ゲーム感想記事と言いつつ、ゲームの紹介も兼ねたいと思っています。
ですが、シナリオそのもののネタバレは控えようと思います。
わたしとしてはすげぇ面白かったゲームだったよ!って話がしたくてこの記事を書いているわけですが、これを読んでくれたヒトの楽しみを奪いたくない、そんな思いがあります。
故に、大まかなゲーム展開等は述べてしまうのですが、具体的に何がどう、という話は避けます。
ということで、微ネタバレがあるという点だけご了承ください。
かなり面白いゲームでしたので、完全に初見で楽しみたいというヒトはそっ閉じしてください。
公式トレーラー紹介
どんなゲームか?どんな雰囲気か?
公式トレーラーが出てるので気になるヒトはどうぞ。
アドベンチャーらしく、”シナリオを読む”ゲーム
まずはシナリオのお話から。
このゲームはアドベンチャーらしく、”読む”ゲーム。
テキストアドベンチャー。
文章を読み進め、法廷やチョウ査を進める。
知ってるヒトには逆転裁判だよって説明したほうが速い。
故に、如何にシナリオを楽しめるかがこのゲームのポイントになると思う。
わたしはかなり楽しめたし、なんだこのシナリオって考えのヒトには合わないだろうね。
「正義」がテーマ
このゲーム…もとい、シナリオのテーマは「正義」。
何が正義か、自分の正義が何か、そもそも正義とはなんぞや。
おしゃれなビジュアルとは裏腹に、非常に熱いテーマだった。
ファルコンの正義、ライバル検察の正義、事件の首謀者の正義…
それぞれの立場の動物達が、己の正義の為に戦う。
そんなシナリオでした。
1話1話ごとにトリ扱う事件は違うけど、最終的には全てが繋がる。
第1話、第2話の関連の無い事件が、実は最終的には「正義」というテーマで繋がるのも読んでいておもしろかった。
事件そのものがつながっている、というわけではない。
マルチエンディングでわかる、それぞれの「正義」
このゲームはマルチエンディング式。
シナリオ後半にとても大きな事件が発生します。
冒頭でネタバレ有りって注意書きしてるので問答無用に書くよ。
シナリオが分岐し、その後の展開が大きく変わるのが特チョウ。
主鳥公ファルコンさんと助手のスパロウソンくんの運命が大きく変わる。
具体的には、その事件への関わり方が変わってくる。
展開としてはif展開に近く、それぞれの分岐でファルコン・スパロウソンらの立ち回りが感慨深い。
全てのルートをこなし、“それぞれのルートでの視点”でその事件を見ると、正義とは何かものすごく考えさせられた。
こういうシナリオは全然アリ。
ケッコウおもしろかった。
短いボリュームで得られる満足感
ボリュームは多く見積もっても5時間程々。
わたしもMy Nintendoの記録を見たら5時間で終わってた。
実績要素があって、全て集めるならもう少しかかるだろうけど、単純に全シナリオを読むだけならそこまで大きく時間は取らないはず。
5時間って聞くと短く感じるけど、個人的には濃い5時間だった。
それくらいシナリオに満足してるし、好きだった。
と言いつつ、シナリオの感じ方や評価はヒトそれぞれ。
ヒトによっては「え?これで終わり?」ってなっちゃうんだろうな。
個性が溢れすぎてる魅力的なキャラクター達
ここからはゲームの世界観的なお話。
ヒトによってはちょっと退屈な項目かも。
このゲームの登場動物、みな個性豊か。
個性が豊かすぎてみんな濃い。
テキストを読み進める上でこの個性ってすごく大事。
何と言っても、読んでて飽きない。
テキストアドベンチャーで必須の、文章を読む面白さを助長してる。
テンポもめちゃくちゃ良く、スラスラ読める。
時にコミカルに、時にカッコよく、時に考えさせられる。
“テキストアドベンチャー”における重要な文章を、個性豊かすぎる動物たちによって華やかに装飾されてるのがとっても楽しい。
まぁ逆転裁判にも言えることだけど。
主鳥公のファルコンさんは弁護士故にカタブツ、と思いきや冗談が好きだし酒好きの酔っ払い。
助手のスパロウソンくんはお調子者で楽観的、だけど時に鋭いツッコミを見せる。
ライバル検事のココリコさんは正義を重んじる動物だけど、時折ニワトリギャグを披露し和ませる。
コミカルさとマジメさのギャップが、チョウ査/法廷問わず楽しかったゲームだったな。
チョウ査を進める面白さと、法廷で戦う面白さ
ここからはゲームシステムのお話。
さっきまでこのゲームのシナリオおもれぇ!って話しかしてないし。
1話ごとに事件が発生し、その事件の被告獣から弁護の依頼を受ける。
依頼を受け、事件現場やその周囲をチョウ査して証拠を集める。
そして、集めた証拠を武器に法廷で被告獣を弁護する。
…これだけの説明だったらまじでただの逆転裁判の説明になっちゃうんだよな。
それくらい、ゲームシステムも似てるんだよね。
証拠を集めて弁護しろ!
このゲームのメインとなる、被告獣の弁護。
主鳥公ファルコンが法廷に立ち、被告獣を弁護する。
大体、被告獣達はそれ相当の理由で犯獣扱いされてる。
そこをファルコンが弁護し、無実であることを証明するゲーム。
検察側も被告獣が犯獣だと証明すべく、事件の目撃者である証獣を用意する。
その証獣の証言を尋問し、嘘や矛盾を指摘して証言を崩し、被告獣の無罪判決を目指す。
…どう説明しても逆転裁判になっちゃうなこれ。
証言には色々と謎が隠されていて、それに証拠品を突きつけ嘘や矛盾を暴く。
それを繰り返すことで被告獣の潔白を示し、無罪を目指す。
ここまで説明してもただの逆転裁判の説明になっちゃうね。
やってることおんなじだしなぁ。
…と言いつつ、逆転裁判では「真実の追求」を重視するのに対し、鳥類弁護士の事件簿では「正義と正当性」を重視するのが明確な相違点。
「逆転裁判」では尋問によって真相を明らかにし、真犯人を告発する。
しかしそうではないのが「鳥類弁護士の事件簿」。
真実を暴くのではなく、自分の正義を信じて依頼獣を弁護する。
今持ち合わせている証拠品と仮説によって、依頼獣の無実であることを“説得”する。
ここが弁護士“成歩堂龍一”と“ジェイジェイ・ファルコン”の違い。
…というかそれはそう。
2000年代日本と1800年代のパリの司法制度はそりゃ違うだろうし。
逆転裁判らしいけど、逆転裁判とはまた違うゲーム性なのも良い。
過ぎた時間は戻らない、シビアなチョウ査と法廷
似てる似てるなんて話を散々してたけど、この点は先に述べないと行けない気がする。
鳥類弁護士の事件簿の特チョウその1。
先の通り、チョウ査して証拠を集め、それを武器に法廷で戦うゲーム性。
まさにその通りなんだけど、チョウ査には時間の概念がある。
裁判の日までに証拠を集めるんだけど、チョウ査が不十分だと証拠が揃わないまま法廷に望むことになる訳で。
そして、本来その証拠を提示したい場面でその証拠が無ければ詰む。
もちろん、全ての証拠を入手できれば詰まないので、適度な緊チョウ感を持ちながらチョウ査することになるのが特チョウ。
このゲーム、それなりの難易度である。
ただ、このゲームは失敗したとしてもやり直しが効くシステムになってる。
故に、少しシビアである程度の難易度を持ちながらも、リトライしやすく詰みを回避しやすいゲーム性になってるのも特チョウ的。
この点は嬉しいポイントだった。
有罪判決を受けてもシナリオは続く
鳥類弁護士の事件簿のもう1つの特チョウ。
弁護に失敗した際に有罪判決を受けた時のこと。
これは大体、依頼獣の弁護に失敗した状況。
証拠不十分のまま裁判に望むと大体こうなるけど、このゲームは有罪判決を受けてもゲームオーバーにならない。
被告獣が罰せられたままシナリオが続くのも特チョウ的。
この時のファルコンさんが自分の力不足を感じているシーンが何ともまぁ…。
一応、ゲームオーバーの心配もなくゲームを進められるということではあるんだけど。
ただ、これでは歯切れの悪い結果になってしまうので、できることならやり直したいと思うのが正直なところだけどね。
シビアなゲーム性故のシステムなんだろうな。
こういう細かいシナリオの変化もこのゲームの特チョウ。
鳥類弁護士の事件簿の作風が心地良い
最後に述べたい感想。
それは“作風”。
すげぇすき。オシャレ。
散々見てもらった通り、ゲーム全体の色味がセピア調に統一されてるのが特チョウ。
まず目を引くし、この時点で他のゲームとは違うなって思える。
それに加えキャラデザ。
キャラデザは実在した風刺画家さんの「J・J・グランヴィル」さんの作品がモチーフにされてる。
みたいヒトはぐぐって。
ぐぐって比較してもらえるとわかるけど、動物なのに人間の手足があって立ってたり、なんなら作品に描かれてるキャラクターがそのまま出てきたり。
実在した風刺画家さんのビジュアルと、同じく実在した作曲家さんの「カミーユ・サン=サーンス」さんが作曲したクラシック音楽が組み合わさり、非常に非常に優雅でおしゃれ。
このバッカナールという音楽が裁判の重要な場面で流れ、何とも盛り上がる。
聞きたかったらぐぐって。
オーケストラの終盤の様な盛り上がりを見せる曲チョウを背景に、優勢な弁護を繰り広げ無罪判決を勝ち取る…
ゲームの場面的に盛り上がるシーンでしっかり噛み合う音楽になっていて盛り上がる。
ビジュアル、音楽共にフランス/パリを意識していて、他のゲームからは得られない栄養素だよなこれ。
終わりに
以上、鳥類弁護士の事件簿の感想をチュンチュン述べてみました。
ゲームの話をするっていうかは、本を紹介する感覚。
やっぱりこのゲーム、シナリオを特に推したいわけでしたが、ネタバレ防止の為深々と書けないのが何とも歯がゆい。
一番書きたい点を濁して紹介する、なんとも言えない感想記事になりました。
総じて、読み物が好きなヒト、アドベンチャー系ゲームが好きなヒトにおすすめできると思います。
その一方、逆転裁判とは大きく違う作風ではありますので、“逆転裁判感”を求めるヒトにはあまりおすすめできないようにも感じました。
おもしろかったです。
このゲーム。
ということで今回はここまで。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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